セリオのこだわる姿勢 ~大学講義編~
セリオは岡山大学大学院とタイアップして、学生の将来につながる実践的な技術や経験、知識の習得に地元企業として貢献しています。今回は、本業とは異なるセリオの顔をお見せします!
やるからには「オモシロイ」ことをしよう
本業ではないといっても、「やるからにはオモシロイ、ワクワクすることを提供できないか」と、まずはゼロから考えることはセリオの基本。
さて、どんな講義にするか。講義の時間は約5時間。要望に対する講義の設計から始まります。5時間延々と経営戦略について語る。実践的な技術を座学で伝え続ける。講義として成り立つかもしれませんが、恐らく学生にとって辛い5時間になるでしょう。
やはり、ソフトウェア開発のオモシロさは座学では伝わりません。手を動かしてプログラムを組み、技術に触れてこそオモシロさが伝わると思っています。また、パソコンの画面上で動くよりも、実際に目の前でモノが動く方がオモシロイ、そう考えました。
誰よりも真剣に楽しむ
そこで白羽の矢が立ったのが、プライベートで組み立て式のラジコンカーを購入していたYさんです。Yさんは、夜な夜な自宅でプログラムを組みラジコンカーを走らせていました。そんな技術大好きなYさんが講師を務め、ラジコンカーを使用した自動運転技術の一端を学んでもらえる講義を実施することになったのです。
講義内容は、Raspberry Piを搭載したラジコンカーをプログラミングによって制御させ、カメラで撮影した画像を基にライン(線)を検出して、ラインを外れないように走行させる、「ライントレース」です。
講義時間には限りがあるため、多少のサンプルコードは用意しますが、サンプル通りにコードを書いたからと言って必ずしも上手く走行するとは限りません。上手くいかない原因をチームで考え、試行錯誤することが求められます。スピードが速すぎれば、コードを組み直して速度を落とし、他にもおかしな動きをしているコードがあれば、何度も修正して試します。ソフトに問題がなければ、ハード面での原因を考え、カメラ認識に問題がありそうならカメラの角度を調整してみたり、明るさが原因だと推測すればカーテンを閉めて暗くしてみたり、あえてライトを当てて明るくしてみたり。「こうすれば上手くいくかもしれない」「これが原因じゃないか」「次はこうしよう」と失敗を繰り返しながら何度も何度も試していきます。
こうした思考錯誤の結果、思い通りにラジコンカーが動くと自然と歓声が上がり、笑みがこぼれるのです。
この講義の最終目標は、ラジコンカーを制御し、ライン上を走行させることでしたが、どうすれば上手く動くか “試行錯誤することのオモシロさ“ や、考え抜いた結果 “思い通りにモノが動いた時のオモシロさ” を感じてもらえていたら、言う事はありません!さらにこれらのオモシロさが、どの学生よりも真剣に試行錯誤を楽しむ講師の姿から、伝わっていたら嬉しいです。
セリオのこだわり
こうして2018年度から毎年、講義を担当させていただいています。
2020年度は新型コロナウイルスの影響で大学の講義が全てオンラインに切り替わったため、セリオが担当する講義もオンラインで実施することに。オンライン講義は前例がなく、出来ることも限られてきます。だからといって、レポートを書いて終わりにするのではなく、大学からの要望以上のものを提供しようと考え、講義がオンラインになっても、手を動かしてプログラムを組める内容を考え実施しました。
この考え方は、仕事においても同じです。お客様の要望の本質を考えて、要望以上のものを提供する。
これが、セリオのこだわりです。
そして、1年ぶりに対面でおこなった昨年の講義を終えたあと、どこからか、「来年は空を飛んだらオモシロイかも」との声が…
地上から上空へ
講義は、地上を走るラジコンカーから上空を飛び回るドローンへと変わり、2022年は第二章へと突入します。
さて、講師はと言うと、実はラジコンカーと同様にドローンにおいてもプライベートで購入し、自宅で動かしている技術大好きな社員がいます。今ではドローン部として正式な部活動になっているほどです。その中でも中心的に活動しているTさんが今年の講師をメインで務めることになりました。
講義内容は、顔認識や指認識でドローンを制御するというものです。AIと画像処理の技術を使って画像と動画から顔や指を認識させ、動作に合わせてドローンを制御していきます。開発言語もC言語からPythonへ。
指で右を指すと左に動くようにあえて逆に認識させてみたり、ドローンをアクロバティックに回転させてみたり、学生たちは思い思いにドローンを操っていました。後退させる動作を誤認識してドローンが前進してくるハプニングなんかもあり、ドローン制御を楽しむ姿を見ることができました。
画像処理の技術は、自動車の先進安全技術や自動運転において、必要不可欠な技術です。そんな技術の一端を楽しみながら学んでいただきました。参加した学生からも、「今までで一番面白かった。」「難しいけど、楽しい。」と言う声が聞け、ドローン制御を通じてソフトウェア開発の難しさとオモシロさを体感していただけたように思います。
セリオはオモシロイことが好き
仕事だけでなく何事においても、新しく何か始める時や変化させていく時、「それはオモシロイか」をいつも考えています。
今回の講義でも、
座学よりも実技の方がオモシロイ
画面上で動くより、実際にモノが動く方がオモシロイ
空を飛んだらオモシロイかも
など、“オモシロイ”が一つの基準になり少しずつ講義内容をリニューアルさせています。
学生にとってオモシロイ講義を考えることは大切ですが、とにかく私たちがオモシロイことをやりたいんです。オモシロイことが好きだから。
さて、来年はどんな講義にしようか。色んなことにアンテナを張り、来年の講義に向けて準備を進めていきます!